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今日の朝刊が気になる

 今日は仕事納めだった。とはいえ、バイトだが。さらには元旦早々…というか、「あけまして!」の瞬間から初仕事だったりするのだけれども。

  そんな今年最後のバイト、はりきってクローズ作業をしていると、店の前を真っ赤な光を放ったパトカーが何台も通り過ぎた。ここは渋谷。まぁそんなにめずらしくもないか。

 と思っていたのだが、事態は深刻だった模様。うちのお店の向かいの通りの○○館の前に、放送局のハイヤーや新聞社の記者たちがわんさと集まり始めた。なんだなんだと思っていたところに、1本の電話が入る。

 ―某大手新聞社の記者からの電話だった。
 その記者の話によると、○○館にて殺人未遂事件があったらしい。
 もはや庭じゃないかと思うほど渋谷に入りびたりだが、こういうことがあると感じる。嗚呼、東京って怖い。しかも、その電話の直後、検問まで始まっていた。

 店の電話は絶えず鳴り響いていた。
 さて、○○館とはうちの宅配の常連さまだ。そういえば、今日もケーキ30個の注文伝票を見た気もする。とはいえ、ただのご近所でただのお客さま。内部のことなんてわかるはずがない。電話で聞き込みをされたところで知っていることなんて、まずない。
 電話対応が面倒くさくなってきた店長。お疲れモードも手伝ってか無視を決め込んでいて、出ようとしたあたしにも「ほっときゃいい」と言っていた。その場は、電話放置の方向でみんなの意見が一致した。

 そして忘れたころ、ポーッとした後輩が電話に出た。相手は某放送局記者。
 彼女は奥で作業をしていたがために事情を知らなかった。電話にも、「さぁー、わかんないです」の繰り返し。
 知らないしか言わない彼女に痺れを切らせた記者の一言。
 「あなた、そんなことも知らないんですか!?(やや怒り気味に)」

 
 記者の仕事は、人に聞くということに結構なウエイトのあるものと思う。

 となれば、今巷で騒がれている質問力というやつが優れていなければならない。そんな質問のプロフェッショナルであるべきはずの人間が、自分の見聞レベルと相手のレベルが同じで当然!などという頭でいいものなのだろうか。そもそも、このような場合、相手の答えがゼロあるものと思って話をすべきではないのか。

 就職活動仲間の間でもまんまなタイトルの「質問力―話し上手はここがちがう」(齋藤 孝)が流行っているが、あの電話の記者の方も読んだほうがいいんじゃないか。しごくそう思う。

 朝刊の内容ももちろん気になるが、その下のほうにこの本の広告があったら、あたしは鼻で笑ってしまうだろう、おそらく。いや、絶対に。
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